レビュー

議論のウソ

議論のウソ (講談社現代新書)権威のつくウソ、研究者が陥りやすいウソについて、すっきりまとめられていた。 pp.58-61 権威に訴える虚偽(論点の虚偽) 権威者を引き合いに出して、根拠のないことをいかにも正しいことであるかのように見せる より学術的・専…

神の子どもたちはみな眠る

阪神大震災を受けて書き下ろされた6篇の短編小説。 神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)読み始めてすぐ、何かがおかしいことに気付く。 全編が「だ・である」調で書かれているのに、たった一文「です・ます」調になっている。 会話の一部か、空想なのか、…

座右のゲーテ

光文社新書のカバーのデザインが好きだ。 タイトルにも惹かれるものが多い。 編集者のセンスがいいのだろう。 装幀 アラン・チャン とある。どこかで聞いたことがある気がする。調べてみた。 アラン・チャンは香港生まれの有名デザイナーだそうだ。 三井住友…

柳澤桂子『二重らせんの私』

柳澤桂子『二重らせんの私―生命科学者の生まれるまで』 母に薦められて読みました。 最後は一気に現代に飛んで、彼女の背景を知らない私には物足りなかったけれど、生命科学の飛躍的な発展を肌身で感じてきた彼女の自分史は興味深いものでした。できれば、も…

吉本ばなな『体は全部知っている』

久しぶりに小説を読み切りました。 吉本ばなな『体は全部知っている』13作品収録の短編集。 まとまった時間本を読めない私でも、ほどよい量の短編が集まっている。 それでもいつものように情景描写が丁寧で、一人の人間が生きる枠組みを説明するだけで十分満…